徹底的な自己責任主義
スイスの首都ベルンには、旧市街を囲むようにアーレー川が流れています。
深いクリスタルグリーンといいましょうか、エメラルドのような美しい川面が、本当にキラキラと輝きます。
そしてこの川、夏には老若男女、多くの人が飛び込んで泳ぎます。川沿いには芝生で整備されたプールもあって、そこから川に飛び込む人も多いです。
ね、すごい気持ちよさそうだし、楽しそうでしょう?
あなたは”Confident Swimmer”ですか
でも私は一度もこの川で泳いだことがありません。そして子供達にもきつく禁じていました。
だってここはスイス。日本のような手厚い安全対策がされているわけではないのです。
そう、自己責任ってやつ。
飛び込んで、泳いで、死んじゃってもあなたのせいですからねってやつです。
第一に、アーレー川って、美しいけれど水がびっくりするぐらい冷たいんですよ。びっくりするくらいです。
そして流れが速いです。
流れにのって泳いでいくと、下流に棒のようなものがあってそれを掴んで岸に上がるとか。
掴み損なっても、何回かは棒が出てくるそうなのですが、やはり毎年数人はそのまま流れて行ってしまうそう。
それを聞くと疑問に思いませんか。
毎年のように水難事故があって、そしてまたこれだけの人が泳ぐのに、どうして安全対策しないのか。
スイス人にこう問いかけると、みな口を揃えて言うんですね。
「泳ぎ切る自信がなければ泳がなければよい」と。
うん、まあそう言われればそうだけど。
もしもあなたがアーレー川で泳ぎたい!と言ったなら、多分スイス人はあなたにこの質問をしてくるはず。
「あなたはConfident Swimmerか(泳ぎに自信があるか)」と。
自己責任っていうことに関しては、ほんともう無意識レベルから覚悟まで全然違いますね。
私なんかは命がけで遊ぶ覚悟・・・ないですないです。
ドラッグ中毒も自己責任
ドラッグに対してもそうです。
ベルン駅周辺に物凄く荒れた建物が一か所あって、その中庭にジャンキーがウヨウヨいるんですね。そして入口には柵があって、警察官もいる。
一体なんだろうと思っていたら、そこはドラッグ支給所だったんです。
でも犯罪防止のためのドラッグ支給所なんですよ。
ドラッグ中毒者がドラッグ欲しさに罪を犯すよりも、彼らにドラッグを与えてしまった方が犯罪防止になるというわけ。
えー・・・
ドラッグ漬けを促進するようなことをしたら、その人は立ち直れなくなるのでは?そうしたら命だって・・と私は思ってしまうのですが、
そこもやっぱり自己責任ってやつ。
潰れようが潰れまいが、そんな奴のために市民が被害を受けることはない。潰れるのは自己責任。
自己責任って、考えてみると、実は日本ではあまり馴染みがない概念かも。
一人ひとりが自己責任って覚悟を決めて行動したら・・。もう少し自由度が増すでしょうか、あるいはもう少し厳しい世界になるでしょうか。
そうなったとしても、私にアーレー川へ飛び込む勇気は・・きっと出ないでしょうね。
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