スイス人を表す時、思い浮かぶのはこの言葉 - Stubborn -
Stubborn:頑固な、強情な、扱いにくい、不屈な、手に負えない
いえいえ人格を否定しているのではありません。頑固なのは仕事に誇りを持っているから。頑固なのはプロフェッショナルの証!! ・・・なのか問題。
たかがアイブロウ、されどアイブロウ
あれは Coopの 化粧品売り場に行った時のことです。

茶色のアイブロウが欲しいです
こう言った私に、店員さんはこう返してきました。

あなたの髪は黒いから、黒いアイブロウが良いですよ
・・・・冗談じゃない。


確かに私の髪は黒いですね。でも私は茶色いアイブロウが欲しいです。

私はプロです。茶色のアイブロウはあなたには似合いません。だってあなたの髪は黒いから。
この押し問答を一体何回したか。ここで彼ら仕事人の必殺技が出ます。
首を横にふりふり、ため息ひとつつきながらもポイントです。

私はプロだから、あなたに茶色のアイブロウを売ることはできません!!
なにー!!
君はそれで接客のプロと言えるのかい。客のニーズに応えるのがプロなんじゃないのかい。
言いたいことは山ほどあるけど、負けは負けです。だって売ってもらえないですから。
私はとぼとぼと家に帰りました。
途中通りかかったお店で「私の髪は黒いけれども、茶色いアイブロウを売ってもらえますか」と聞いてみました。すると店員さんは、

もちろんですよ、はいどうぞ
にこっ!っと。実にあっさりと。
スイスには、このように”我こそはプロフェッショナル”たる人物がいっぱいいて、そして彼らは非常に頑固で強情で・・Stubborn!
まあアイブロウの色ぐらいはどうでもいいのですが、
重大な局面で、この”我こそはプロ”に出くわすと、とんでもない事態に。
約束は反故。だってあなたは健康だから。
あれは私がスイスで子どもを出産した時のことです。私は事前に「無痛分娩」を申し込んでいました。
ところが出産当日。
助産師が「あなたは健康だから、あなたに麻酔は必要ない」の一点張り。
彼女の独断で、まさかの麻酔を打ってもらえない事態に。
・・・はあ?健康だからとか関係ないんだよっ!打てったら打て!!お願いしますお願いしますお願いしますお願いします
陣痛を耐えながら、私は彼女を脅してみたり、懇願してみたり。
ここらで彼ら仕事人の必殺技が繰り出ます。はい、首をふりふりため息ひとつしてからです。
「私はプロだから。健康なあなたに麻酔は打てません」
そして陣痛も佳境に入った頃、そんな頑固で強情なプロ助産師が、突然「交代の時間です」と引き上げて行きました。
実にあっさりと。12時ですと言って(12時前に)。
そして交代された次の助産師さんは、私にこう言いました。
「麻酔ね、オッケー。今麻酔医をよぶから。打ってもらいましょ。でもね、あなたの子宮口ね、開いちゃったから。陣痛の一番痛いところはもう終わっちゃったよ!」
にこっ!
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